コタエナイトイ (完)

第二幕 /『今夜の晩ご飯』







4階の渡り廊下。

空はまだ青かった。



遠くの空が少しだけオレンジ色になってきている。






「──生きがい、ね」




麻斗が言っていたことを思い出す。


将来の夢とかないし、男は嫌いだし、友達はいないし。

私に何があるんだろうか。




目を閉じると、まだ太陽の暑さが身体に残っていて、にじみ出る汗に不快感を覚えた。

でも吹き抜ける風が気持ちいい。












“氷野ーーっ”




遠くで、私を呼ぶ声が聞こえた。



下を見ると、女の子達がいた。

私には気づいていないけど、低いデスボイスで私の名前を叫ぶ。





カバンを掴んで、階段を駆け下りた。






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