コタエナイトイ (完)

最終幕 /『これが、夢優』






──引きこもる私の元に、彼女がやって来たのは当たり前のように思えた。




「……ひどい顔」



あざ笑うように吐き捨てた彼女は私が開けたわけじゃない玄関から侵入していた。



「言っとくけど、あんたの親に入れてもらっただけだから。とりあえず、これ」



差し出されたのはコンビニ袋いっぱいのゼリーやパン。




「……なにしに来たの」




かすかすの声で声を発すると、喉が切れるような痛みに襲われてむせる。



スポーツ飲料のペットボトルを差し出した彼女はパーカーのフードを脱ぐと冷たい目で私を見ていた。







その、敵を見るみたいな目はまるで「私が彼を殺した」と言っているようで、怖くて奥歯がカチガチ鳴る。


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