天使を殺したあたしは。(完)

第三幕 /原付






────その日の帰り、いつも通り送ってくれたナギは、いつもよりゆっくり走った。





「分かりやすい道通ってやっから、覚えろよ」なんて言って走り出しただけあって、彼は大通りを行く。

それでも、覚えたって、なんか遠い気がするのは気のせい?

覚えたところで、自力ではたどり着けなさそう。







20分かけて家に着いて「覚えたか」って言われたけど、無理だし。






「遠いし、覚えきれないし、無理だし」


「無理じゃねぇっての。すぐに覚える」


「すぐっていつ?」


「知らね。オメーの頑張り次第。……道なんて、単車乗りだしたらすぐに覚えるって。行動範囲広がるから、つい新しい道行ってたら、あっという間よ」


「……あたし、単車乗れないし」


「原付ぐらい持ってんじゃねぇの?」





バカにしたような言い方に唇を尖らせる。





0
  • しおりをはさむ
  • 196
  • 3284
/ 598ページ
このページを編集する