天使を殺したあたしは。(完)

第四幕 /天使になる






店を出てすぐのところに黒い外車が止まっていて、橙馬さんのだ、と思った瞬間それに投げ入れられる。

助手席に乗せられ、橙馬さんはご丁寧にシートベルトをしてくれ、彼も足早に運転席に回ると自分はシートベルトもせぬまま発進させる。




静かに滑り出したそれ。




不良は爆音仕様が好きみたく思われてるけど、彼は走り重視。

昔からシルバーアクセの露店で稼いで、高校の時から外車を愛用ってんだからすごい。




車内は、変わりなく、天使愛用の甘い香水の匂いが漂っている。






「……どうしたよ、これ」



“あの”と言おうとした一瞬早く、彼があたしの髪を引っ張る。





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