天使を殺したあたしは。(完)

第五幕 /恨んでない






────ナギの店に行ったのは、あたしの意思じゃない。……いや、あたしの意思だけど!

でも、これは、もしもまた、いっちゃんがあたしのお菓子を作っていたら勿体ないなって思って。捨てられるぐらいなら食べた方が良いじゃん? って、そう思っただけで。







だから、別に、それ以上の意味なんてない。





第一、璃都さんに「恨んでる」なんて言われたらって考えるだけで恐いし。……恐いって思うのに、会いたいって思うのって変かな……?

なんだかあの優しい瞳で見つめられて「ライちゃん」って呼ばれたい気分になった……って、うそうそ! そんなこと思ってないから! 









全っ然、思ってないんだから!





ただ、橙馬さんも何か用事があるらしく出かけてて帰ってこないし、もう24時だしで菜月とも別れちゃったしで暇だから。

だから、本当に、特別な意味なんてないんだから。






なんて、誰にでもなく言い訳を並べながら店に行くと電気は消えていた。

窓から光があふれてない事にがっかりしておもわず肩を落としてしまったけど、慌てて首を振る。





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