天使を殺したあたしは。(完)

最終幕 /関係






振動し始めたスマホを見た瞬間、身が震えるのが分かった。

体が硬直して、その画面をタッチすることすらできなくて。



そのことに気付いたのか璃都さんが隣から「ライちゃん?」ってあたしの顔を覗き込んでくる。




この世のものとは思えない美しさを持つ彼の顔が間近に迫ってドキッとしたおかげで我を取り戻すことはできたけれど、スマホの画面を見た瞬間、熱くなった頬は一瞬で冷たくなる。






「…………電話」




出なきゃ。そう思うのに。

もしも璃都さん達と一緒に居る事が彼にばれたら、って思うと絶対に引き裂かれてしまう気がして。

そんなの嫌すぎて。




橙馬さんに尽くさなきゃって思うのに、やっぱり嫌って思うあたしが居るとこが、とてつもなく腹が立った。





やっぱり、いっそのこと、璃都さんに「恨んでる」と言われたかった。そうすれば何の未練もなく、橙馬さんだけを想えた。




でも、璃都さんがまだ友達って言ってくれるから。優しく接してくれるから。あたしはこの関係を崩したくないって思ってしまう。








……ペンダントトップを握りしめて、スマホを凝視する。





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