天使を殺したあたしは。(完)

最終幕 /妊娠







ピンポーンッ!




チャイムが鳴り響いたのは、街が仮装軍団であふれるハロウィーンもすっかり終わって、コートが恋しいぐらい寒くなってきたころだ。寒さのあまり街に出るのはおっくうになってしまって、橙馬さんの家で、ただ彼に応える日々が続いてた時。

チャイムが鳴ってだるそうに立ち上がった橙馬さんが出た瞬間。






バタバタバタッ!


やかましい足音がしたかと思えば、あたしの目の前にアクアマリンの瞳が現れる。





「……アザカさん?」



どうしているの? と思いながら、ベッドに横たわらせた体を起こし、訝しげな瞳を彼女に向ける。

後ろから「アザカ!」と言いながら戻ってきた橙馬さんだけど、彼女はイラついてる橙馬さんには目もくれず、ただあたしを真っ直ぐ見据えてくる。




なに?

目を細めて彼女を睨む。







「橙馬返して」




けれど、放たれた言葉にため息しか出てこなかった。





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