Help Ⅲ(完)





節南さんのマンションを飛び出すように出て眩しい太陽に顔を歪めた時、ポケットの中でスマホが勢いよく震えた。

節南さんだったらどうしよう、と画面を確認すると、表示された名前は「真雪くん」だった。




ほっと安心して、節南さんに追われないよう裏道に入って何度か曲がり角を曲がってから通話ボタンを押す。






『今どこ!?』




その瞬間、キーンッとするほど大きな声に、私はおもわずスマホを取り落してしまった。

カツーンッ! コンクリートの上でバウンドしたそれを拾おうとしゃがみながら、片手で耳を押さえてしまう。


だって、本当に目が覚めるほどうるさかったんだもん。ていうかびっくりした。まだ耳がキーンッってなってる。



痛みに似た感覚のする右耳がこれ以上悪くなるのを恐れて、今度は左耳にスマホを押し付けようとしたけど、耳から15センチ離れたところに持っていくだけでうるさいから、私はそれ以上耳に近づける事ができなかった。





真雪くんがぎゃんぎゃん叫んでる……。


いったい何だっていうの。






と思いながらも、彼の声に耳を傾けない。




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