Help Ⅲ(完)

第十二幕:過去の鎖 /あくま





地面に頭を叩きつけられたミカちゃんは苦しそうに呻き声をあげた。


私は目の前数センチで起きたそれがこわくて息を飲む。



視界の端に、地面に倒れ伏す廉哉くんが見えた。




嘘……廉哉くん、狼にやられちゃったの?

ピクリとも動かないけど……生きてるよね……っ?




次第にドクンドクンと心臓が暴れ出す。





「テメー……美翔、覚悟はできてんだろうな?」



けれど、低く押し潰されそうな声によって、私の意識はあっというまに狼にしか向かなくなってしまった。

彼は冷たい炎の瞳でミカちゃんを見下ろし、地面にめり込ませる勢いで押さえつける。




「テメーが華凜に手ぇ出したせいで、華凜を守りきれなかった罪だとか言って『太陽』が報復に来るわ、佳那汰達も向こうに寝返るわ、大変な思いしてんだよ」


「っは……天下の『羅刹』総長が、幹部に見放された挙句、敵から逃げ回ってるってわけ」


「あ?」


「っ」



ドカッと容赦なく、狼がミカちゃんの背中を蹴りつける。




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