Help Ⅲ(完)





君が笑う姿が、誰よりも好きだった。

俺の世界で、ただひとりの、可愛い人だった。




君以外はいらない。

本気でそう思ったけれど、俺達は近すぎた。





将来一緒に居続けるためには、いま、少しだけ我慢しなきゃいけない。






必至で自分を言い聞かせて、君と距離をとったのに。








「っ……」






いきなり、教室のど真ん中で唇を奪われた。

押し付けられる柔らかい感触にびっくりして。

泣きそうな顔で俺に口づけする君が可愛くて。





驚いて目を見開く俺の前で、君は言った。





「私のだよ……っ」




抱き着いて宣言した君を今すぐ押し倒したいほど愛しく感じた。





「っ……」




“カーリー”と名前を呼んで抱き返したかったのに、君からキスしてくれたことが嬉しすぎて、幸せのあまり言葉がのどにつっかえた。

今すぐ叫んで、君に俺の全てを押し付けたい、なんてひどく汚い感情が俺のなかを支配する。






刹那。




「はぁ!?」


「待って。羽叶と羽柴ってまだ"そう"だったの!?」


「誰かセンセー呼んで来いよ!」


「マジかよ。きもっ」


「え。前ん時問題になって施設行きにすらなったのに、続いてたの?」


「羽柴の妄想じゃなくて?」


「てか、ダメじゃね? ふたりが付き合うのって」


「そうだよ。問題行動ばっかしてたじゃん」


「学校中の窓ガラス割ったりとかさー」


「……罪っしょ」





教室が、爆発した。



0
  • しおりをはさむ
  • 91
  • 3311
/ 477ページ
このページを編集する