Help Ⅲ(完)

第十一幕:嵐の前の嵐 /堂々とした悪意




──────はっきり言って、春の言葉を聞いても、その黒猫がひーくんだなんて信じられなかった。


でも、高い身長も、白い肌も、金色の髪も、ちょっとおかしな仕草も、優しいとこも、不思議なとこも、イチゴ味のアイスキャンディー好きな事知ったたことも、金魚すくい上手なことも、かんざし1本で髪を結いあげれるって言う特技も──



ぜんぶ、彼の特徴と一致してる。



妙に安心しちゃったのも、私の中の大事な部分で、彼を認識してたからじゃないかって思ったりもして。




でも、どれだけ一致していてもその顔をはっきり自分の目で見て、声を聞くまでは信じられなかった。



第一、彼がひーくんならば、どうして最初に正体を言わなかったというの。

「久しぶり」と微笑んで、名前を──「カーリー」って呼んでくれても良かったじゃん。


どうして抱きしめてくれないの。





どうして──っ!





0
  • しおりをはさむ
  • 92
  • 3331
/ 477ページ
このページを編集する