Help Ⅳ(完)

第十四幕:裏切りの連鎖 /みーんな友達!




「ミカちゃーん!」


「うわっ」




彼女を見た瞬間、吹っ飛ばす勢いで突撃した。

数歩後ろに下がったのちに踏みとどまって支えてくれた彼女が、驚いた顔で私を見下ろす。




って。




「ミカちゃん、顔!」



綺麗な顔に大きなガーゼが貼られていた。

右頬をすっぽりと覆い隠すものだ。

傷は広範囲らしく、かさぶたがはみ出て顎の方にまで続いているのが分かる。


目元にも青タンがあるし。




女の子の顔だなんて思えないレベル。




「どどどどうしよう! 顔! 傷! お嫁行けない!!」


「いや、落ち着いて、バ華凜。僕は大丈夫だから」


「大丈夫じゃないよ! もし顔に傷が残ったら、お嫁に──」



言いかけた瞬間、私はハッと息を飲んだ。

ミカちゃんが秋の空みたいな寂しそうな顔で微笑んだから。




「本当に、大丈夫だから、バ華凜。君を危険にさらした代償と思えば安いモノ。それに……お嫁には行かないから、ね」



最後にスッと視線をそらした彼女が薄っすらと笑みを深める。


その表情を見た瞬間「あ」って思って、ミカちゃんから1歩離れてしまう。





そうだ。彼女はもう"女として機能していない"んだ。

つまり、過去の事件で生殖器が使い物にならなくなったってこと。だから、お嫁に行く気はないんだ。



私、考えなしにすごく最低な事言った。



自分に反省してキュッと唇を結ぶ。





「そんな顔しないでよ」


けど、優しい彼女はすぐに私の頭を撫でてくれた。



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