Help Ⅳ(完)





誤魔化すように、にへらっと笑って見せようとして見上げた先で、黒い瞳が私を見下ろしていた。

震えたその瞳はどこまでも黒く、深くて。私がこれから飛び込もうとしている地獄の色をしているようだった。





瞳に映った自分が、情けない、歪な笑みを浮かべてる。

無理に口角をあげて癖に、眉は今にも泣きそうに下がってる。




噛みしめられた歯が嗚咽を堪えてるようで、完璧に嘘を吐ききれてない自分を殴りたくなる。




でも今更「なぁんて、嘘!」とか言って退く事はできない。






「衛藤さん、お願いします。私を逃がして?」





刹那、手を引かれて車に押し込まれたから「無理か」と落胆した。

しかし、10分後に車が止まった場所は、24時間営業のディスカウントストア。




彼は私の手を引いて迷いなく店内に入ると、適当な仮装グッズを手にレジに並んだ。





「え、衛藤さ────」


「僕に迷惑かけないって約束して」




その最低な言葉に頷いた私は、トイレで着替えるふりして抜け出し、節南さんの家に駆けた──





0
  • しおりをはさむ
  • 197
  • 3311
/ 431ページ
このページを編集する