Help Ⅳ(完)




その後30分ほど無言だった。

でも不思議と、クラスの子達といるときよりも居心地が良かった。


会話はないはずなのに、真雪くんを身近に感じられて、ただ隣にいるってだけで妙に安心した。


だからか、少しだけ眠くなってウトッと彼の肩にもたれかかった、その時だった。






「あーっ! 羽柴ちゃん、発見!」




キーンッと耳を突き抜けるような声に名前を呼ばれ、慌てて飛び起きた。

大きく目を見開いて体を起こすと、通路に現れていたのは、あの、一緒にダウトをしていたクラスの子。




たしか、隣の席に座ってた子だ。

茶色い髪を耳の下からゆるい三つ編みにしていて、赤いギンガムチェックのリボンで結んでいるのが、やっぱり可愛い。





「羽柴ちゃんこんなところにいたの? トイレから帰ってこないから心配した──」




と、その時。彼女の視線が隣に座る真雪くんに向いた。

驚いたように目を見開いた彼女。




私もつられて彼に視線を向ける。





真雪くんは無関心そうなボーッとしたタイガーアイで彼女を見ていた。

感情は何も感じられないけど、逆にそれが不気味に思えておもわずたじろいてしまう。




「えっ……っと……羽柴ちゃん、彼と、いたの?」


「うん」



チラチラと真雪くんを見る彼女はおっかなびっくりしたようで、ちょっとへっぴり腰。

どうしてそんな態度なんだろう? と首を傾げたけど、すぐに気付く。




そっか。真雪くん、髪真っ白だし、瞳もタイガーアイだし、明らかに異質でこわいか。

内面は照れ屋で意地悪で優しくて素敵な人なんだけどな。


なぁんて思いながらもう一度頷いて「一緒にいたよ」っと言い切る。




「っそう、なんだ」



さらに驚いたように目を見開いた彼女はいびつな笑みを浮かべてた。



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