Help Ⅳ(完)

第十六幕:裏切りの涙 /愛しき悪魔





「あなた達……っ、あれほど会うなって言ったのに、まさかずっと隠れて会っていたわけ!? また……っ、羽柴の家に文句言われるじゃない! 近所から白い目で見られるじゃない……!」





わめくおばさんは、ひーくんに突っかかって「どうして!?」って叫ぶ。



私は呆然とそれを見詰めながらも、どんどん状況が理解できてしまった。

同時に、絶望する。






私とひーくんは、中学生の時に多くの過ちを犯した。

結果、もう2度とひーくんに近づかないと、おばさんと約束した。



それを守れなければ、私は羽柴の家に戻される。

また、親戚の家をたらいまわしにされる日々が続くのだ。






そうなってしまえば、ひーくんとはまた会えなくなる。






「っごめんなさい! ごめんなさいおばさん! ごめんなさい!」


「あなたは黙ってて頂戴! ふざけんじゃないわよ! どうして、こんな……どうして、我慢できないの……っ!?」




おばさんの声が甲高く歪む。

黙ってされるがままのひーくんは何も言わない。

揺さぶられるがままに唇を噛みしめる。







どうして……こうなったの。

もう間違えない、って。ひーくんの傍にいる事が何よりも幸せなんだって思ったばかりなのに。






運命は、私を引き裂く。



どうして、おばさんが来てしまったの……?




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