心月の夜想曲 上弦 【完】

月蝕のようにゆっくりと・・・ /七月蝕

結城さんと話し合いの日の前日の夜。


私は、ゆっちゃんの部屋で、遠い他県の親戚の家に行く日が近づいているゆっちゃんの荷造りを手伝っていた。


「お嬢様。明日は結城様とお会いになるのですから、もう休んで下さい」


ダンボール数箱に、あまり多くもなければ少なくもないゆっちゃんの荷物を詰めている私に、ゆっちゃんは気遣わしげに言った。


「いいの。こうやって、今までゆっちゃんの手伝いしたこと無かったから。いつもやってもらってばかりだったから……」


ゆっちゃんが、荷造りを始めるということは、私ももうそろそろ、自分の荷造りを始めなければいけない。


ゆっちゃんが親戚の家に行く、イコール、私は結城さんが用意したという新居に引っ越す。


だから、こうしてゆっちゃんと話を出来るのも、本当に後もう少しだけ。



離れなければいけない……。



そう思うと、色んな気持ちが押し寄せてきて、喉の奥が熱くなってきたけれど、私は咳払いをして誤魔化した。




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