心月の夜想曲 上弦 【完】

月蝕のようにゆっくりと・・・ /十二月蝕

二階に上がって、自分の部屋に入った。



勉強机の上にバッグを置いて、中身を確認し整理していると、不意に背後に気配を感じ、肩越しに振り返った。



「…っ!、んっ……」




首だけ背後に捻った瞬間、突然、ゆっちゃんに唇を塞がれた。



ゆっちゃんは、私に覆い被さるように勉強机に手をついている。



一旦唇を離して、私が身体の向きをゆっちゃんの方に変えると、ゆっちゃんは再び唇を塞ぐ。



今度は深く、舌先を使って私に唇を開けるよう促し、少し開けるとその隙間からとろりと熱い舌が入ってくる。



私の腔内をゆっくりと這って、ゆっくりと唾液を混ぜ合わせかき回し、舌を絡め取った。



全身に、甘い電流が走った。



私は全身の力が抜けそうで、掴まるようにゆっちゃんの肩に手をかけ、シャツを握った。



……ゆっちゃん、どうしたんだろう?



こんなに深くて長いキスを突然してきて……。



不思議に思うけれど、唇を求められる嬉しさとゆっちゃんの絶妙な舌遣いで一気に気持ち良くなり、私は無我夢中で没頭した。



そういう些細な疑問も、先程まで感じていた憂鬱も何もかも忘れて、鼓動を高鳴らせて息遣いを荒くしながらゆっちゃんと熱い舌を絡ませ合う。




「…んっ、ふ、んんっ……。っ、はあ……、ゆっちゃん……?」




数十秒後、ゆっちゃんから唇を解放された私は、すっかり意識を蕩けさせながらゆっちゃんの顔を覗き込み、名を呼ぶ。





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