心月の夜想曲 上弦 【完】

月蝕のようにゆっくりと・・・ /十三月蝕


部屋には、沈黙が流れている。



私は、つくづく自分が最低だと思う。



結城さんから、プロポーズと婚約指輪を受け取っておいて、結婚したくないなんて……。



でも、本当にゆっちゃんが好きなだけ。



好きでは無いと言われても、ゆっちゃんに怒っても、その気持ちは変わらなかった。



それから、結城さんに会社の為に私と結婚するんじゃないと言われても、やっぱり素直に結婚したいとは思えない。



だから、結城さんの気持ちを裏切ってまで、私は結城さんと結婚できない。




あまりにも、結城さんに失礼で、悪いことだから。



そう自分の気持ちを自覚した私は、涙を拭って、口を開いた。



「……ゆっちゃん。お父さんとお母さんに、言う。私、やっぱりどうしても、結城さんと結婚できないって」




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