珈琲喫茶 〜終焉館〜

心残り /after マスター


『珈琲喫茶 〜終焉館 〜 店主 本日の業務報告』



今日もまた、一人のお客様が抱えたものを下ろして店を出て行った。


今回の彼女は、重い病に罹りその瞬間から死を悟っていた。


だからなのだろうか?


彼女は純粋で、好きな人と親友に直向きな気持ちを持っていたけれどどうにもならない気持ちにも悩んで苦しんでいた。


だけど、彼女は苦しむ自分を二人を許すことによって解放し、二人の幸せを願うことにより“この世”に未練を無くした。


彼女のように純粋な魂を持ち、実直な“彷徨い人”は珍しかった。


彼女は“あの世”に導かれて、その生前の純粋な生き方は崇高なものであると讃えられるだろう。



彼女が、今度こそ長い人生を幸せに送れるよう心から願う。










心残り Fin.






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