Twilight~救われた心~

1day:共同生活

人を好きになる喜びを知ったのは、小学生の時。

初恋の稲葉君に想いを伝えぬまま3年を過ごし、卒業と同時に初めての恋に終止符を打った。


次に好きになったのは、中学の時の前浜君。

今度は告白して、想いが通じた。付き合うことになって幸せな時間を過ごした。でもやっぱり、卒業と同時にその恋は終わった。


高校生になった。近藤君に告白された。

よく知らない人だったけど、付き合ってみたら結構楽しくて、二年生になったと同時に振られた。


二年生の秋、バスケ部の松村君といい雰囲気になって付き合ってみたら、暴力を振るわれるようになって、直ぐに別れた。


三年生の冬、受験を控えた時期に図書館で知り合った司書のお兄さんと付き合うことになって、大学進学を就職に切り替え、卒業と同時に親の反対を押し切って同棲を始めた。


半年もたたないうちに赤ちゃんが出来た。

嬉しかった。

でも、彼は笑顔で「迷惑だから堕ろしてね」って言った。

嫌だと首を横に振る私に初めて手を上げた。

頬を打つ手が、怒鳴る声が、全てが私を再び悲しみへと突き落とした。


幸せって何だろう。
そんな風に考えるようになったのはいつからだったろう。

赤ちゃんを堕ろすために引きずられて病院へ行った。
呆然としていた私を先生たちが心配げに見つめていた。

でも、彼がうまくいいくるめて手術は行われた。

目が覚めたら、お腹に走った激痛。

失った大切なモノ。
守れるはずだった、たった一つの光。

目の前が真っ暗になって、帰る場所も失って、もういいかなって思った。

赤ちゃんのとこへ私も行こうって。

この人生を終わりにして、赤ちゃんと一緒に生まれ変わりしよう。


そんな風な考えに行きついた私が最後に見た光景は、クラクションを鳴らして急ブレーキを踏みながら、大きくハンドルを切る車だった。

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