Twilight~救われた心~

3day:初めての休日

「千歳」

「はい?」

「買い物行くか?」

「行く!行きます!」


本日二人で暮らし始めて初めてのお休みかぶり。もうかれこれ二週間ほどになるこの奇妙な同居生活も、大分馴染んできた今日この頃。

景虎さんは、顧問している部活動の練習に午前中顔を出して帰宅したところで、そんな嬉しいお誘いをしてくれました。


私はというと、午前中に洗濯やらお掃除やらを済ませておりました。


ぱぱっと準備を済ませて、戸締りをすると、先に駐車場で待っていてくれた景虎さんの車に乗り込む。

発進した車は、最近改装したらしいショッピングモールへと向かった。


「そういえば、景虎さん、何の顧問してるんですか…?」

「……バスケ」


バスケかぁ。
私運動音痴だから、運動部なんて生まれてこの方ご縁のなかった場所だけれど、高校生の時は運動部のマネージャーとか憧れたりしたものだ。


運動部って、文化部とかと比べると、青春って感じがとても強いと思う。


「景虎さん、運動神経よさそうですよね」

「……別に」


絶対いいと思う。
運動部の顧問負かされるくらいなんだから、私みたいに運動音痴ってことは絶対ないだろうし。


「私は、ちっともだめで。中学生の時なんて、バスケットボール後頭部に受けて失神しました~」

「!……そうか」

「そうなんですよ。意識飛ばして、その後よく覚えてないけど、誰かが運んでくれたみたいで、私未だにあの時のお礼言えてないんです」


中学時代。
体育の授業中に頭にクリーンヒットしたバスケットボール。男子がふざけてたらしいそれの被害にあった私は、意識を飛ばして、目を覚ましたら保健室のベッドの上で。


誰が運んできたのかとか、目撃者一杯いたはずなのに、誰も何も教えてくれなくて。結局、私は御礼すら言えなかったんだ。

何かずっと忘れてたけど、今ふと思い出して、胸の内がもやもやしだした。


流石に何年も前の話だ。
その助けてくれただろう人もきっとそんなこと忘れてるんだろうな。

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