Twilight~救われた心~

5day:お悩み相談室

「はぁ……」

「何々~!辛気臭いなぁ」

「す、すみません……」


バイト中。
お客さんの波が引いた暇な時間。

カウンター席で、本日何度目となるか分からない深い溜息をこぼす私の前を通りかかったリュウさんが、頬を膨らませた。


男の人なのに、何だか可愛らしいと思ってみていれば、厨房に引っ込んでいた片倉君こと、くーちゃんが顔を出した。


「ちーちゃんさん、休憩あがって」

「そ、その呼び方変えませんか、くーちゃん」

「……そっちがその呼び方やめてくれたら」


ムスッとした顔で再び厨房に引っ込んだ片倉君を見て、ぷっと吹き出しているリュウさんは「仲が良くていいね~」なんて頭の上に花を飛ばしていらっしゃる。


どこをどう見たら、仲がいいと映るのか甚だ疑問だが、まあ、最初の頃よりは打ち解けた。


彼も悪い人ではない。
見た目は怖いけど、中身は可愛らしいというか、ツンデレ君。


「じゃ、休憩だし、ちーちゃん大好きなアレ食べる?」

「え、いいんですか?」

「さっき厨房覗いたら、くーちゃん作ってくれてたよ」

「やったっ」


以前、試作品だと言って試食させてもらったミニタルトは、何と片倉君の手作りだった、と後で聞かされた。

あれを試食してからというもの、休憩時間には決まって片倉君に頼んで蜂蜜レモンタルトを頼んでいる。


景虎さんに食べてもらったやつだけど、あの後どうしても食べたくなってお願いしたら作ってくれた。

それからもう、飽きもせずほぼ毎日のように噛り付いている。

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