Twilight~救われた心~

6day:不調と病院

「千歳、電気もつけねぇで、どうした?」

「……っあ、お帰り、なさ…っ」

「!……おい、どうした?」


バイト先に体調不良でお休みすると告げてからの記憶が曖昧だ。

真っ暗だったリビングに電気がついたかと思えば、帰宅したらしい景虎さんが、驚いたように私の元に駆け寄ってきた。


やだ、もう…そんな時間…。


怠い身体を起こして、お腹に走る鈍い痛みに眉を潜めた。


「具合が悪いのか?」

「ただの生理痛かと……」

「薬は?」

「まだ……」


生理痛と言われて、動じない男の人っているんだな、とどこか感心しつつ、女のひとに慣れてるのかな、とか不安が胸を過ったりして。

年上なんだし、その程度で動じるわけないのに、と分かっているのに、ぐるぐると胸を渦巻く黒い感情を見て見ぬふりをしていれば、そっと私に触れる彼の手が優しくて、温かくてほっとした。


「朝から何も食ってねぇのか」

「……はい…」

「普通の鎮痛剤で効くのか?」

「…たぶん…」

「わかった。取り敢えず、腹冷やすな」


そう言って、私がさっきまでかぶって寝ていたひざ掛けを私の身体にかけ直すと、上着を脱いで、ソファーにかけ、キッチンに向かう景虎さんを目で追った。

傍に、いてほしい……なんて、子どもみたいな我儘は言えないよね。


そんなことを考えながら景虎さんをみつめているうち、瞼がだんだんと重たくなっていく。


ああ、どうしてこんなに眠たいのだろう。

こんなに、お腹、いたんだろう。



ああ、そういえば、術後検診も受けないまま、初めての生理がきたんだな、とぼんやりとする頭の中で考えながら、そのまま夢の中におちた。

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