ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第四章 計画 /非情な世界

鍵を手に入れるために、用務員室のドアを開いた美雪は、室内に一瞬目を走らせ、驚愕の表情を浮かべた。

そして理解し、わき上がる悲しみにゆっくりと目をふせた。

椅子のそばに倒れ、ぐったりと横たわる松林の首筋の辺りからは血がにじみ出ている。

噛みつかれた際にどこかで頭をぶつけたのかもしれない、目を閉じていて意識はなさそうだった。

椅子に縛られ口元から血をしたたらせている吉光はゲタゲタと笑っていた。

「喰わせろォ! 子供ォ!」
 
わめき、手足をバタつかせる吉光、椅子がガタゴトと床をならす。

美雪はひとつ大きく息を吐き、室内に足を踏み入れた。 

真っ直ぐ事務机に近づいて行った。図工室の鍵が必要だった。机を手早く調べる、すると一番下の引き出しに鍵束がふたつ、無造作に投げ込まれているのを見つけた。見回りに使うと思われる、鍵が数十個もついた大きなキーホルダーだ。

それぞれの鍵に部屋の名前が書かれていて、この二束の鍵が新、旧校舎のものだと言うことがわかる。
 
もしも逃げ場がなくなれば、新校舎の屋上を目指すことになるかもしれない。新校舎の鍵も美雪は持っていくことにした。

鍵束をふたつもって出ようとしたとき、机の上の携帯電話が目に入った。

あの時、結局怖くて家には電話は掛けられなかったけれど、電話はなにかと役に立ちそうだ。
 
美雪はそれらを手に部屋を出た。

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