ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第四章 計画 /図工室

うさ子たちが階段を上がって三階西側の突き当たりにある図工室に来たときには、もう美雪はそこで部屋の鍵を開けようとしていた。

美雪は、重そうなビニール製の四角い袋のようなものを足下に置いていた。

それはボックスから取り出しておいた、折り畳み式の梯子だった。

袋にはしっかりとした金属製の二本のアームが並んでついていて、それを窓などに引っかけて、袋の中の縄ばしごを地上までたらす仕組みだ。

「あれ、松林さんは?」

鍵を開けようとしている美雪に、うさ子は開口一番にたずねた。

美雪は一瞬、動きを止めたがすぐにドアを開ける作業を続けた。

「松林さんはもう来ないわ」

ドアをガラリと開きながら美雪はポツリと言った。

「え?」
 
驚きドアの外に立ち止まるうさ子に、美雪は「はやく入って」と表情のない声で言った。慶太はただ無言で部屋に入った。

「ねえ、美雪。何があったの?」
 
うさ子は恐る恐る質問した。

「もう来ないの。お願いだから訊かないで」

そう言って美雪はひとり窓の方へ歩いていった。

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