ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第五章 希望 /悪寒

武田真吾はひとり山神小学校へ向かう坂道を走っていた。

背後には迫り来る無数のゾンビの姿があった。
 
はやくあいつらを助けに行かなければ

俺の大切な生徒たちを守ってやらなければ

武田は走り続けながら、そのことばかりを繰り返し考えていた。

だが、心ばかりが先走り、まるで水中を藻掻いているように足は重く、思い通りに動いてくれないのだった。

「先生っリイ先生っ」
 
背後から不意に呼ぶ声に振り返ると、そこに武田は地獄を見た。

バスで出発してしまったはずの何十人もの生徒たちが、ゾンビと化して武田を追いかけている!

生徒たちはみなあの生気を失った目で、武田を恨めしそうに見つめ迫ってくる。

「みんな…すまない…俺はお前らを助けてやれなかった」
 
武田はわき上がる哀しみに心が張り裂けそうになりながらも、学校目指して坂を走り続けた。

校門が見えてきた、美雪やうさ子、伊達、金太、慶太、春樹、吉光、みんな笑って武田を迎えている。
 
みんな俺を待っていたのか、……お前らだけは命に代えても守ってみせる。
 
武田は心に誓った。だが、次の瞬間、笑顔だった子供たちの額から、雨のように血がだらだらと流れ落ち、彼らの顔面を染めていった。

「うわああ……ぁぁあああ」
 
武田は血にまみれた子供たちを胸に抱きしめ、泣き崩れた。その武田の額からもだらだらと血が流れはじめていた。 

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