ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第五章 希望 /新校舎へ

電話が鳴っていた。

ここは図工室。

ドアの外には、すでにゾンビが何体もうごめいている。
 
美雪はポケットに入れているのを思い出し、慌てて携帯電話を取り出した。

「もしもしッ」

「ん? ……ああ、あの少年の友達か」

「あの、だれ?」

「本部長の鴉田だ。時間がないから手短に言うよ。いまからそっちにヘリを飛ばす、屋上には約十分後に到着予定。だから君たちも逃げるならはやく屋上まで来るように、以上だ。わかったかい?」

「わかりました」

「沢木溶子を捕獲または抹殺したら、すぐにヘリはそこを離れるからね。健闘を祈るよ」

「はい」

電話は切れた。美雪はそばで報告を待っている伊達、うさ子、慶太の三人に電話の内容を伝えた。

「いよいよね」

話し終え、緊迫した表情の仲間を見渡し美雪は言った。

「ああ」

伊達は頷いた。決して容易ではないであろう、屋上への道のり、だが、それぞれの顔にはそれほどの悲愴感は漂ってなかった。

「行きましょう」

慶太は力強く言った。床には完成した四本の火炎瓶が置かれている。

「準備ばんたんだね!」
 
うさ子は満足した表情で言った。そう準備は万端だった。やれるだけのことはやった。

その気持ちが彼らの心を奮い立たせているのかもしれない。

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