ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

「嘘でしょ」

切迫した声で美雪が言った。彼らの死角である階段のそばに(意図したわけではないだろうが)ゾンビは潜んでいた。

最悪の事態だった。屋上への道を塞がれていったいどこへ逃げればいいのか。

「チキショー、マジかよ」
 
伊達がうめいた。この狭い廊下に密集されてはどうしようもなかった。廊下いっぱいに広がったゾンビたちが容赦なく美雪たちのもとへと駈けてくる。

「慶ちゃん、火っ」
 
うさ子のいきおいよく差し出した火炎瓶の導火線に、慶太は慌てて着火した。

それは四本目、すなわち最後の火炎瓶だった。灯油のよく染み込んだ導火線のティッシュは一瞬で炎に包まれた。

うさ子はそれをすかさずゾンビの足下に投げつけた。バリンッと床にあたり炎の絨毯がゾンビの行く手を塞いだ。

ゾンビはその炎に阻まれて、美雪たちのところまで来られない。
 
だが、いったいどうすればいいのだ。屋上に上がるにはゾンビの背後にある階段を使わなければいけない。

しかし階段への道は密集するゾンビによって塞がれ、通り抜けることはできない。

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