ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

「……憶えていますか?」

静かに慶太は語りはじめた。

「ヘリから彼女が降りてきたとき、足下に異常に血がたまっていったのを。あれはおそらくヘリの中で撃たれたんでしょう」

「あれは返り血じゃなかったの?」

ヘリの中にいた隊員たちの血を浴びたものだと、美雪は思っていた。

「返り血もあると思いますが、それだけではあそこまで血が足下にたまることはないでしょうから」

「そう……」

「それは致命傷ともいえる傷だったんでしょう。だけど痛みを感じない彼女はそれでも攻撃を止めなかった」
 
血は流れ続け、まるで電池の切れたおもちゃみたいに、血がなくなった時、彼女は死んだ。そういうことか。

「なんだか可哀そう」

だが、美雪はその言葉を飲み込んだ。私が言うべきではない、そう感じた。

他の者も同じように感じているのだろう、車内は沈黙していた。

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