ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第五章 希望 /輝ける光り

車は校庭を突っ切って行く。

校門はすぐ目の前だ。門を飛び出し、坂を下れば、きっと安全なところに逃げられるはずだった。
 
だが、校門に近づいて行くにつれ、尋常じゃない気配に気づいた。ゾンビの数が多すぎるのだ。

町からまだ集まってきているとしか思えないほどの相当数のゾンビが、車の行く手を塞いでいた。
 
ゾンビの大群は車の存在に気づき、わらわらと群がってきた。

だが、その連中を目の前にして、車は急速に速度を落としていき、ついには停車してしまった。
 
そして、ぐらりと武田の頭が前に傾いだ。

「先生ッ」
 
うさ子が後部座席から呼びかけた声にも反応がない。

「どうしたのさッ、先生、リイ先生」
 
必死にうさ子は武田の体を揺すった。

「すごい熱だわ」

武田の額に差しのべた手が美雪に高熱を伝えていた。

「すまない……みんな」
 
武田は苦しそうな顔をもたげ、やっと言った。もはや意志の力ではどうしようもないほどに、武田の体は参っていた。

外には続々と車体を取り囲むゾンビたちの姿がある。

このまま集まったゾンビに車体をひっくり返されでもすれば、一巻の終わりだった。

0
  • しおりをはさむ
  • 10
  • 0
/ 164ページ
このページを編集する