ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

おまけの章 /事件から約4ヶ月後 9月1日 午前8時

曇り空の下だったが、蝉たちは過ぎゆく夏を惜しむように鳴きしきっていた。

今日は全国の小学生が日に焼けた肌を夏休みのお土産にして登校する二学期の初日だった。

「おっはよー!」
 
元気よくうさ子は6年3組の教室のドアを開けた。

「おはよ!」
 
美雪は広い教室でひとり黒板の前に立ち、チョークで何かを書いていた。

「あれ? 美雪ひとり?」

「うん、ちょっとはやく来すぎちゃった」

ふたりが会うのは1週間前に病院に見舞いに行って以来だった。

「わあーキレーな花」

教壇の上にはひと抱えもありそうな大きな花束が、きれいにラッピングされて置かれていた。

「フフ、いいでしょ、昨日買っておいたのよ」

「そっかーごめんね、きのういっしょにいけなくて」

「いいよ、楽しかった?」

「それはもう!」

うさ子は夏休みの最後の日を家族とプールで過ごしたのだった。

「みればわかるか」

美雪は笑った。うさ子はすっかり健康的に日焼けをしていた。

「ところでタラちゃんは元気?」

「もちろん! たまに慶ちゃんも様子見に来たりしてるよ」

タラというのはあの慶太がリュックに入れていた子猫のことだった。事件後、結局慶太が捨てきれずにいるのをうさ子が引き取ったのだ。

「慶太くん、かわいがってたからねえ」

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