ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第二章 急変 /襲撃

「はぁっ!」

武田は振り向きざまに右下方から相手の顔面に鋭い肘打ちを繰り出していた。

後ろから武田の肩に手をかけた人物はひとたまりもなく、もんどり打ってドウッとアスファルトに倒れ込んだ。

「あっ! やばい」

武田はあわてた。

恐るべき防衛本能と言うべきか、多くの格闘技に精通している武田は、背後からの異様な気配に対して、反射的に攻撃をしてしまったのだ。

リイ先生と言うあだ名は武田がブルース・リーのような格闘技の猛者だというところに由来していた。

「大丈夫ですか!?」
 
呼びかけながら、武田は倒れた人物に駆け寄った。

その人物は苦しそうにうめきながら必死に起きあがろうとしている。

しかしその姿を見たとき武田は心臓が凍りつくような恐怖を感じた。その人物は異様だった。

異常なほど青白い肌、ぼろぼろで血にまみれた衣服はもちろん、武田が一番異様に感じ、戦慄するほどの恐怖を覚えたのは、その全く生気の感じられない目を見たときだった。日々、武田がみている子供たちの生き生きとした目の完全な対極に位置する目だった。

「子供ォ……子供が食べたい……」

起きあがろうとしているそいつは、うめくように、しかしはっきりとそう言った。

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