ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第三章 悪夢 /電話

美雪たち五人は、校舎の東側裏口から靴のまま進入した。校舎内はしんと静かで、今までの出来事を考えると薄気味悪いほどだった。

目の前には三年生の教室がある。

もちろん生徒は遠足に行っているので教室には誰もいない。

右手にはピンクのタイルで作られた手洗い場があり、左にはずっと廊下が続いていて、各部屋が並んでいる。

順番に見ていくと、三年生の教室、二階へ上がる階段、玄関ホール、事務室、校長室、職員室、トイレ、もうひとつの二階へ上がる階段、放送室、保健室となっている。

彼らがまず取りかかったのは、今入って来た観音開きになっている鉄製の頑丈そうな扉を厳重に閉じ、内側からしっかりと鍵を掛けることだった。

その鍵はひねるだけの簡単なものだったのですぐ終わったが、まだ西側の裏口もある。その扉は伊達が閉めに行ったようだった。

念のために残りの四人は廊下にずらりと並ぶガラス窓を閉めに駆け回っている。

なにしろガラス窓は廊下の端から端まであるのでたいへんだ。慶太の身長では、届かないところに窓の鍵がついているので、彼は鍵が掛かっているかどうかのチェックだけをやっていた。

その作業中、彼らは奇妙なものを発見した。廊下の中ほどにある校長室の前に掃除ロッカーがでんと横倒しに置かれていたのだ。

高さ二メートルほどグレーの長細い鉄の箱、それは校長室の扉にぴったりと押しつけられ、部屋を塞ぐために置かれているようだった。

一体誰が、何のために?

彼らは気にはなったが、とりあえず危険はなさそうだったので、施錠を先に済ませ後で考えることになった。
 
そして施錠が完了した頃、金太の呼ぶ声にみなが正面玄関口を入ったところの小ホールに集まった。

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