ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第三章 悪夢 /希望

ソファーでドアを塞ぎ、改めて室内を見渡すと、部屋はひどく荒らされていた。

校庭を見渡せる広い窓は内側から割られていて、いつの間にか降り始めていた小雨が室内を濡らしている。
 
校長が大事にしていた熱帯魚の水槽は床に落ち、粉々になっている。水槽の破片に混じって、数匹の色鮮やかな魚が、カーペットの上に落ち死んでいる。

床には血の跡が所々あり、殺人現場に迷い込んだような感覚を美雪たちは抱いた。

「これでしばらくは大丈夫みたいだぜ」

伊達が服の汚れを手で払いながら落ち着きを取り戻した声で言った。

「校長先生に私の声は届いた……、まだ意識があるのかもしれないわッ。もしかしたら町の人達も……、だったら元に戻ることもできるかもしれない!」

美雪は興奮した口調で唐突に言った。

「──偶然かもしれない。あまり期待しない方がいい、期待はずれはよけい辛いぜ」

伊達はなぜか少し悲しそうに言った。

「でも、希望がないと、こんな状況耐えられないよ」

その言葉に伊達はじっと黙り込んだ。

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