ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第三章 悪夢 /足音

「みんなで力を合わせれば、きっと何とかなるわ」

美雪が力強くうさ子に言った。

「うん、そうだね」

「じゃあ、みんなで力を合わせてこのピンチを乗り切りましょう!」
 
美雪は周囲の仲間たちを見渡し、雄々しく宣誓した。

「おー!」
 
うさ子と嵐山兄弟は明るい声でこたえた。

「うわ、ダセエ」

伊達は見ていられないといった風にうめいた。

「……あの、ちょっと思いついたことがあるんですが、いいですか?」

慶太が言い出そうとしたとき、うさ子が何かに気づいた。

「あれ? 誰か……そこを横切らなかった?」

慶太のリュックの中で猫がにゃあと鳴いた。

「どこ?」

「ドアの小窓に何かがちらっと見えたんだ」

「校長?」
 
そんなはずはなかった。ドアを叩く音やうめき声は相変わらず校長室の方から聞こえるのだから。
 
耳を澄ますと、何者かがゆっくりと廊下を歩くかすかな足音が聞こえた。
 
誰かがいる。

ちょうど職員室の前の廊下だ。

行事予定の書かれた黒板やプリント類が貼ってある壁の裏側を歩いている。

ぽつり、ぽつりと小さな足音はし続けている。
 
みな息を潜めてじっと廊下を見ていた。もうすぐ西側ドアの小窓に姿を現すはずだ。
 
校門の方を見ていた吉光もふいの静けさに振り返った。

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