ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第三章 悪夢 /開門

雨に濡れたガラス窓越しに見える死の軍団。

まるでコンサート会場に詰めかける熱烈なファンのように、ゾンビたちは門を押し倒し、校庭になだれ込んで来る。

そして廊下にも美雪たちの熱心なファンが二人。ドアをきしませながら執拗にたたき続けている少年、春樹。そして獲物が隣の部屋にいるのにようやく気づいた校長だ。

校長は春樹とは違うもうひとつの東側ドアから入ろうとしている。

「最悪だ……」

伊達が張りつめた表情で言った。

「吉光君、普通じゃなかった……。はやく追いかけないと、ほっといたら何するかわからないわッ」

美雪はそう言うと追いかけるつもりで窓に駆け寄った。

「行くなッ、奴らに追いつかれる」

伊達は激しい口調で美雪を止めた。校門を破った奴らがすぐにでもここにやって来る。もう時間はなかった。

美雪は悔しそうに唇を噛んだ。これ以上誰も犠牲者を出したくなかった。だがどうしようもなかった。

うさ子や金太もどうすることもできず立ちつくしている。

ただ沈黙の時間が過ぎていこうとしていた。窓の外ではまるで津波のようにゾンビの大群が荒々しく押し寄せてくる。

「あー! しまった!」

慶太が突如すっとんきょうなほどの大声を出した。

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