ゾンビ学園~ぼくらの小学校にゾンビが攻めてきた~

第三章 悪夢 /校長を

旧校舎へ走り出そうとする美雪たちに、わめいている校長の声が音を増して聞こえていた。

校長の反応が少しでも遅れれば、あっさりと校舎から脱出できそうなんだが

伊達は廊下の数メートル先にいる校長が、こちらに気がつかないことを願った。

だが、校長はすぐに美雪たちに感づき猛然と突進してきた。走りながら血のこびりついた歯をむき出しにし、おきまりのセリフを叫んだ。

「子供が食べたいッ!」

……やっぱりそう簡単にはいかねえか

伊達はうんざりした気持ちで武器を握りなおした(ホウキだけど)。背後では美雪とうさ子も身構えている。
 
こいつらだけでも守らないとな、伊達はそう決心すると、ホウキを竹刀の握りでゆっくりと中段に構えた。

中段の構えは、水の構えとも言われ、一応どんな攻撃にも対応出来る構えとされているが、ゾンビ相手にはどうだろうか……そう考えながら。

「ちょっと失礼します」
 
いきなり慶太が、気合い十分で校長と戦おうとしていた伊達の背後から、すっと出てきた。手には重そうにバケツを提げている。

呆気にとられている伊達の前で慶太はバケツの中身を校長の足下にぶちまけた。

緑色の液体がザアッと廊下に注がれた。ツンと鼻腔をつく刺激臭、それは職員室にあった洗剤を手当たり次第に混ぜたものだった。

用意した材料は掃除ロッカーにあった床掃除用の洗剤1.5本、給湯所にあった食器洗いの洗剤0.8本、そして水を適量、それらをバケツにぶち込み、かき混ぜると完成だ。
 
慶太の思惑どうり、その効果は絶大だった。
 
校長は洗剤に足を滑らせ見事、仰向けに転倒した。受け身も何もしないので床で後頭部をガンッと打つすごい音がして、校長は洗剤の上に横たわったままぐたりと動かなくなった。

0
  • しおりをはさむ
  • 10
  • 0
/ 164ページ
このページを編集する