bittersweet【完】

第二部 /━disguise━



『ほーらほら!紺野さんも飲んでよ!』

「あー…、はい。」


赤ら顔で私にお酒を勧める先輩に、苦笑い。


グラスにはまだまだ黄金色のそれが入っているというのに注ぎ足され、たぷたぷになる。



「(表面張力…。)」


表面張力で持っているような、その量。



私はそれとなく携帯で時間を確認して、溜め息をはいた。


時刻はもう8時47分。



『紺野ー?』


うんざりと困り果てる私の視界に入ってきたのは、言わずもがな兼子くん。


同じように苦笑いを見せれば声を出して笑われた。



『あっはは、分かりやすいよ紺野。』

「だって…、」


はぁ、とまた溜め息をはく。こういう空間は苦手なのだ。



私はガヤガヤと騒ぎ、盛り上がる場を見て帰りたくなった。



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