bittersweet【完】

第一部 /━sentiment━



「…、」


背中が、痛い。固いフローリングの上で行為をしたためだ。私は肩を手でさすりながらソファーに腰かけた。



体重分だけ沈み、私を包む。一息つけば遠くでシャワーが壁に水を叩きつける音が聞こえた。



中野さんだ。時計を見て、あの人今日は帰るんだろうかと少し考えた。



「(あ、携帯…。)」


テーブルの端に忘れられたように置かれた携帯を思い出した。


先ほど、けたたましい機械音を鳴らしたそれは今はたまに数秒間おきに赤いライトを点滅させた。



ゆっくりと手にとり、スライド式のそれを滑らせた。



―――――――

着信:1件

―――――――




「誰……?」


思わず呟いた。



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