bittersweet【完】

第三部 /━abandon━



――――――――――…


「っ、――…、」


壊すだけの愚かな行為。最中も何故か崩れたように涙が止まらないのは。



きっと、分かっていたからだ。これからが。


玄関を一段上がった廊下に投げ出された衣服の乱れた私は、ただただ壁のほうを向いて嗚咽を噛み殺す。


なんで上手くいかないんだろう。ここまで歯車が狂うのは、やはり世間知らずの子供が踏み出して良い領域を冒しているからなのか。



それすらも、考えたくない。中野さんを見たくない。



『、陽、』

「…、っ」



呼ばれた名前。感情のないその音は、意外にもすんなりと私の中に溶け込むものだから呼吸を止めた。






















『終わらせるか。』





『全部。』



涙が、枯れた。



0
  • しおりをはさむ
  • 5524
  • 34009
/ 486ページ
このページを編集する