bittersweet【完】

第一部 /━sugarless━




カチ、カチ、カチ…。


部屋の時計の狂うことなき一定の音が死んだように静まる部屋に、響く。



この部屋は、海だ。




暗く深く静か。穏やかな流れの中で、時としてゆるやかに乱れる。



「(そろそろ、か…。)」


生活感だとか、そんなもの感じさせないような部屋の中でただ唯一深い藍色の枕に白いシーツのベッド。


それだけが私の[生]を証明するような物だ。



そのベッドに寄りかかりながらフローリングの床に座る私は丁度後ろの壁にかかる時計を振り返った。



ピンポーン


「(…来た。)」



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