bittersweet【完】

番外編 /━間違える男の話━




俺には、最近気になる子がいたりする。こんな中学生の恥ずかしい日記みたいな心の独り言に苦笑いが出そうだけど。



「(…ん?)」



その子は、少し人と距離を置く子だ。きっと無意識のうちにかもしれないけど、薄くて、でも簡単には壊れないそれがいつも目に見えない部分で彼女との馴れ合いを遮る。



たまに泣きそう。ただ、笑うと凄く美人。まあ、つまりは好きってだけ。



渦中の人物を、大学の桜並木で発見。ずり落ちた鞄をもう一度肩にかける仕草と、髪を耳にかけるそれに本人だと確証した。



「こーんのー…。」


呼びかけて、口を直ぐに閉じる。どうやら電話中だったらしく、俺には気付かない。寂しいと思う俺がいるが、わざわざ邪魔はしたくない。



「…、」


ちょっと、近付いてみる。そしたら。小さいのに、不思議と通る声が聞こえた。




『誕生日に、欲しいもの…。』



誕生日、って?



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