bittersweet【完】

番外編 /━bittersweet 中野━




夜空の星を数えるのに、飽きた頃だった。綺麗な藍色に煙が融けるそれが、酷く脳裏に焼き付いていて、また体が煙草を欲した。



そんな夜が続く中、出逢ったなんてロマンチックな言い方よりもぶつかった、なんて言い方のほうが合っているかもしれない。



まだ闇が世界を支配しない曖昧な時間帯。俺が苦手。隠すならさっさと全部隠せよ。そんな気持ちを毒づきながら、三戸部の車に揺られる。



『中野ー…。乗せろ、って…どこ行くの。』

「あー…。」



先日何かの拍子で出た店の名前を上げれば三戸部は納得したのか分からないがチラチラと外を見ながら頷いた。



煙草吸いたい。でも三戸部ダメって言うよな。言いそうだよな。



「三戸部。」

『なんだよ。』

「煙草吸っていい?」

『…、』


睨まれた。




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