崩れかけのプロポーズ【完】




と。

『…………。』

「…………、わ、」



んー、と考えていれば私の前に立っていた水樹くん。びっくりして後ろに仰け反れば水樹くんが支えてくれた。



『確かにちょっとは気張る必要あるかもね。』

「…はい。」


そう言うと、ちょっと笑った水樹くんが私を覗きこんだ。



『さっき僕が唇舐めたの見て照れたの。』

「、いや、あのー…別に変態じゃないよ…!」

『(動揺しすぎ…。)』



慌てる私に、水樹くんは口元に笑みを浮かべた。ちょっと近付いた顔に、ドキドキと心臓が口のほうに上がるような感覚。



『…。』

「、」


もう唇が当たりそうな距離。でもそこから進まないそれに死にそうなくらい体が縮こまる。

ちょっと笑う水樹くんはどうやら私の反応を見て楽しんでいるらしい。医者のくせに!私の心臓が動かなくなったらどうするんだ!



「み、ずきくん…!」

『ん?』

「するなら、して、欲しい。」



そう言ったらワンテンポ遅れてクスクス笑った水樹くん。ちょっと苦いキスが降ってきた。





からかいたい君。




『甘い…。』

「そ、そうかな。」

『うん。甘い。』



キスの味はベリーチョコレートモカ。




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