崩れかけのプロポーズ【完】

13つめ /僕以外なんて見させない



『あ、このアスパラのベーコン巻き美味しい。』

「本当?良かったー。」



私は今、病院に来ています。別に頭が痛いんだとか、怪我をしたとか、整形がしたいとか、そうじゃなくて。



『でも卵焼きは、甘過ぎ。』

「…。」



この冷静に人を批判するお医者さんのためにお弁当を持って、病院に来たのだ。


お昼休みのタイミングが分からずうろうろしていれば、水樹くんが現れて一緒に西棟の裏手にある庭のような場所で食事。



たくさんの人が行き交う中でのそれは恥ずかしさもあったけど。



『…何で下向いてるの。別に菜々を見ている人なんていないから大丈夫だよ。』


と、いう水樹くんのフォローする気のないフォローに。私はがつがつとお弁当を食べ始めた。


そして冒頭に戻る。




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