崩れかけのプロポーズ【完】

15つめ /死因はキスです




『……。』



私は静かに、水樹くんの背中をソファーに座りながら見つめる。うん、好きだ。


熱すぎるくらいの紅茶に息を吹き掛けながら、やっぱりつまらなくて溜め息にもなりきらない吐息を吐き出した。




「…。」



どうして私は呼ばれたのか、全く分からない。馬鹿だからとかではなく、単純に分からない。ダメだ今の発言が馬鹿っぽい。



パソコンとファイリングされた資料のような物を見比べては、眉を寄せて険しい表情をする水樹くん。


何故か朝一で「早く、僕の家に来て」と言われたから走ってやってきたと言うのに。



相手にされないどころか認識されていない危険性が出てきた。由々しき事態。




声をかけることも出来ないまま、時刻はお昼近くまできている。外はぽかぽかと良いお天気で、室内にいるのがちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、勿体ないと思ってしまった。



でも水樹くん仕事してるのに、私は不謹慎だ。



紅茶を飲み込んで、パタパタと足を動かして遊んでみた。




『ウルサイ。』

「…。」



即座に、やめた。




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