崩れかけのプロポーズ【完】

21つめ /とにかく、愛しくて



"今日も帰り遅くなりますか?"



『(…、)』



参った。菜々からこんなメールがきてしまったら、帰りたくなる。いや菜々に他意なんてものはなく、確認の意味なんだけど。



疲れて機能の三割ほどを低下させた目元を押さえてからもう一度携帯を睨む。もはや老人である。



あと1時間がもどかしい。菜々が僕と一緒に住むようになってから一週間が流れるように過ぎ去った。



菜々が家にいるというのは思っていたよりも多大なる利点と、気持ち的ボルテージを上げてくれた。



メールを見返し、苦笑い。




『(今日も、ってとこが。)』



いつも寂しい想いをさせていることが見えて、こんなメールを部屋から送信した菜々を抱きしめたくなった。



ダメだ、人の病気を診るのも大事だが、菜々に会いたい。




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