崩れかけのプロポーズ【完】

24つめ /やっぱり安心します





『すっずはーら先生!』

『…、』



驚愕した。まさか三十路に悠々と足を踏み入れているはずの先輩から、そんな軽薄ともとれる間抜けな呼び方をされるとは。


気持ち悪いと顔面で伝えれば、苦笑いをしながら肩を組まれた。正直、面倒なことになりそうだ。




『今日飲み会あ、』

『行きません。』

『…まだ最後まで言ってな、』

『行きません。』



ゆっくりと組まれた肩を抜け出し、白衣を直してまた歩きだした。それを追うのは、三十路前半の北沢先生だ。


ばたばたと、最近ちょっと脂肪が目に見えてついてきたことの証拠だろう。




『待った!鈴原先生もたまにはいーじゃん!』

『たまには、って。たまに行くくらいならば全て欠席したほうが潔いでしょう。』

『…(そうきたか。)』




む、と次の一手を思案する北沢先生。




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