崩れかけのプロポーズ【完】

25つめ /邪魔なのは眼鏡である




『邪魔。』

「…、」

『邪魔。』



二度言われた。大事なことだから二度言う、なんて言葉を思い出しては張り裂けそうな胸に項垂れる。


現在水樹くんはよく分からない本を読んでいる。でも今日はせっかくの二人の休み。どうにかこちらへ気持ちを向かせたいと奮闘中です。




ソファーで足を組みながら優雅に本を読み耽る水樹くんを、ジ、と下から見つめる。




と。
ちらり、眼鏡の奥の瞳がこっちを向いた。




「…。」



だが。数秒というか1秒もこっちを向いていたか怪しいくらいにスピーディーに瞳はまた本へと戻されてしまった。



何てことだ。見られたのに無言、って。これ無視だよ。むしろ迫害?いや圧迫されるどころか無視だから迫害ではないか。



より寂しい現実に、溜め息。




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