崩れかけのプロポーズ【完】

37つめ /所謂、独占欲です




「水樹くん。」

『静かにしてて。』

「…、」



菜々からの強い視線を感じる。勿論、熱く好意的な視線ではなく非難と拗ねるような色を孕む視線だ。


けど。僕は本から顔を上げることなく足を組み替えて、読みつづけた。



「…水樹くーん…。」



僕と菜々はソファーに座っている。悠々とした大きさのはずなのに、菜々が近寄るもんだからなんだか狭く感じた。



「水樹くん、水樹くん。」

『うるさい。』



菜々を見てそう言えば、目に見えて拗ねていた。かなり可愛かったけど、今日はもう少し虐めてみるのも良いかなと底意地の悪い考えに従ってまた目線を文字の海におとした。



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